ウィリアムズ症候群について
そんなにめずらしいことではない
遺伝子疾患のひとつです
ウィリアムズ症候群は医学上の分類では「染色体異常」とされます。
先天的なものなので染色体そのものの治療はできません。生命体の設計図であるDNAに原因があるので、ウィリアムズ症候群の人がウィリアムズ症候群でなくなれば、その人はその人でなくなってしまいます。
厳密にいうと、ウィリアムズ症候群は「7番染色体上の一部に欠損のある状態の人」をあらわす医学分類上の名称です。DNAの形状がすこし違うだけなのです。
これは、特殊なことではありません。DNAの解析により、人類はアフリカを起源とした人種から、長い年月をかけて「原因不明」の差異を生じながら多種多様な人種に別れていったと言われています。
ウィリアムズ症候群の子どもたちが、世界中のどこかで生まれ続けているということは、単なる偶然や超常現象ではなく、ごくあたりまえのことなのです。
身長/体重について
標準よりも、ゆっくりと成長します。
マイペースで成長するので、気長に待ちましょう。
ウィリアムズ症候群のこどもは、低身長/低体重で出生することが多いでしょう。
成長曲線は、通常の平均的な成長曲線にあわせるように、実年齢よりも数ヶ月から数年遅れながら成長していくことがウィリアムズ症候群ではみられます。
成長曲線の平均幅の一番下のラインをたどるイメージでいれば、いいと思います。
もちろん、個人差があるので当然平均通りには成長しないことも少なくありません。
摂食量も関係してくると思われますが、少食であることが多いので、無理に食べさせないようにしてください。量より質が大切になってきます。
とにかく確実に成長します。身長も体重もそれなりに増えていきます。親子手帳(母子手帳)の標準値とにらめっこするよりも、我が子の成長のグラフの傾きを楽しみましょう。
高カルシウム血症
大見出し:乳幼児から幼少期にかけて、高確率で診断されます。
ウィリアムズ症候群の発見につながった症状です。
ウィリアムズ症候群と診断された小さな子どもは、血液検査で、ほとんどの場合「高カルシウム血症」と診断されます。
むしろ、「高カルシウム血症」の発見から、ウィリアムズ症候群の診断につながることがあるかもしれません。
体内に取り込まれたカルシウムは、骨組織等に取り込まれて、必要な時に必要な量を血液中に供給します。
高カルシウム血症は、ふつう血液中に含まれているカルシウムの量よりも余分に溶け出している(吸収されきっていない)状態です。
「カルシウムが多いことは良いことだ」と思われがちですが、過剰なカルシウムが血液中に溶け出していると、さまざまな内蔵(胃腸、心臓、筋肉など)や精神的にも不安定になることがあります。
最近はカルシウム強化の食品が多く出回っていますので注意が必要です。
主治医の先生とよく相談して、摂取量の調整をしてください。
高カルシウム血症は、幼児期をすぎると自然治癒することが多く報告されています。
定期的な血液検査をしながら、ゆっくりと様子をみましょう。
追記
2001年にウィリアムズ症候群に関するアメリカの小児科学会で報告された調査結果は、高カルシウム血症の発症率について15%程度という情報をいただきました。
日本でも調査が行われたようですので、いずれ調査結果が公開されると思われます。
幼少期の運動能力
ねがえり・ハイハイ・立つ・あるく・・・いつから?
運動はカラダの成長を待ってから
体を動かすということは、無意識にやっていることが多いものですが、案外、複雑なものです。
まず、動かすべき体そのものが必要です。
次に、体をコントロールするものが必要です。
3つめに、コントロールを正常にするためのセンサーが必要です。
さらに高等な動きをするためには、これらを統括して操る管制塔が必要になります。
これらのことは、胎児のころから発達が始まっています。胎動こそ、運動の第一歩でしょう。
ややこしいので、ひとつずつ(そして、大雑把に)説明します。
(1)動かすべき体について
体にはさまざまな構造がありますが、運動のための基本的な構造は、「骨」と「筋肉」です。
ほかにも「関節」や「付属骨格」だの細かくいえばキリがありませんので、やめておきます。
とにかく支えとなる骨があって、骨に筋肉がくっついていることで、筋肉が伸び縮みすれば、それにあわせて骨を中心に体が動くしくみになっています。
ところで、こんな経験はありませんか?「長期入院などでしばらく寝たきりになったあと、歩きにくくなった」とか「運動不足で体重が増えて、走るのが遅くなった」とか、体の状態が変化すると運動にも変化がでてきます。
動物は動かす部分をを支えることができないと運動もできないのです。ウィリアムズ症候群の身長や体重の成長曲線がゆっくりだということは「身長/体重について」で紹介済みですが、運動も同様です。
正常な体重増加は筋肉の増加をともないます。筋肉は脂肪よりも重たいですよね。
そして、それらを支える骨も同時に成長する必要があります。ここで、気になることがありませんか?
そうです「高カルシウム血症」です。カルシウムは体内に摂取されると、通常は骨に蓄えられて、必要に応じて血液中に放出されます。必要以上のカルシウムが血液のなかでウロウロしているということは、本当は骨の中で蓄積されるものが、されていないと考えることができます。
骨の主成分はカルシウムなので、これが足りないとなると、当然、骨の成長は遅れます。ということは、十分に体を支えられない、運動する要件が整わない・・・となっても不思議ではありません。
(2)体をコントロールするもの
ずばり「運動神経」です。
神経は、微細な電流を伝える役目があります。司令塔から「動かせ」という電流を筋肉(随意筋肉)まで伝えるのが運動神経です。普通のヒトは1秒で約100mの速さで電流が流れるので、金メダリストもメタボリックな方も、運動神経の伝導速度でいえば、いい勝負になりますね。
この電流が筋肉にたどりつくと、筋肉の中(筋小胞体という部分)から「カルシウムイオン(Ca2+)」が放出されて、筋肉がギュッと縮むのです。
はい、ここでも「カルシウム」がでましたね。血中のカルシウムはこういうところでも活用されているのです。
(3)センサー
わたしたちののセンサーは、簡単にいってしまえば5感です。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚ですね。さらに、平衡感覚・内部感覚などが加わります。
はじめの5つは、特に説明はいらないでしょう。
平衡感覚は重力に対するバランスを感じるセンサーです。目が回ってクラクラして立てなくなる、といった場合には平衡感覚が関係してきます。
内部感覚は、体の中に対するセンサーです。頭やお腹が痛い、肩がこった、背伸びをして気持ちがいい、などといった感覚は内部感覚でとらえられます。
運動するときは、これらのセンサーが正常に働いて、はじめて正常に運動ができます。
ウィリアムズ症候群の場合、「聴覚過敏」は「デコボコ面の歩行が苦手」などの特徴が報告されていますが、聴覚もデコボコ感覚も、すべてこれらの体のセンサー(感覚)がとらえるものです。
(4)管制塔
さいごに、(1)から(3)を統括している管制塔が「脳」です。
「脳」とひとくちにいっても、役割によって様々な部分に分かれています。
「じゅげむじゅげむ・・・」のようになってしまいますが、大脳新皮質(頭頂葉・前頭葉・則頭葉・後頭葉)/大脳辺縁系(旧皮質・古皮質)/小脳/間脳(視床・視床下部)/中脳/延髄/連携して脊髄。
と、もうお腹いっぱいですね。
あれや、これやとたくさんの部分がありますが、これらが連携して瞬時に指令を出しているのですから、いきものというのは不思議なものです。
熱いものを触った時に瞬間的に動く「反射」という運動は、脳ではなく脊髄からのみの命令で動いているのですが、反射が起こった直後には「あちちっ!」と思わずしゃべっているものです。「反射」の直後に「延髄」から「視床」で刺激を知覚して、大脳辺縁系で熱さの恐怖を感じ、新皮質の頭頂葉で熱さを感じて、則頭葉で過去の火傷の経験や「あつい」という単語を引き出して、前頭葉で「あちちっ!」と声に出して、「あぁ、つらい」と感情がわき起こります。
これだけ書いても、日常生活の中では1秒程度の出来事です。
脳は、想像以上にものすごいスピードで働いているのです。知的しょうがいとも関係してきますが、脳の発達は、運動にも大きな影響を与えているのです。ですから、体だけあれば、あれこれできるというわけではありません。
鉄腕アトムやゲッターワンは、コンピュータ脳をそなえているので自由に動けますが、鉄人28号やガンダムは、自分で勝手に動くことができないのとおなじですね。
つまり、運動は、条件が整わないと、運動できるようになりません。さらに、運動による内部感覚や、外部からの刺激を経験として覚えることで、適切な運動ができるようになります。
これらの手助けをするのが「理学療法」「作業療法」「言語療法」とよばれるものです。
それぞれの療法については、また別に解説します。
工事中
工事中
工事中
編集中です。


HOME